【訴訟案件】
甲社と乙社は、1999年1月1日に「協力協定」を締結した。協定は「甲は経営活動を更に拡大するため、資金の投入を至急必要とする。乙は一括払いで80万元RMBを甲に投資する」「甲の経営業績と関係なく、甲の会計年度において最低限度額を保証し、甲は乙に投下資本の17%を年末に支払う」という内容のもので、期限は暫定5年間とした。協定締結後、乙は契約通り、一括払いで甲に80万元を給付し、年末に契約通り当年の配当を受け取った。
2001年4月、乙は甲に最低限度額の保証金の支給を催促したが、これを受け取ることができなかった為、「双方の協力協定は無効であり、甲が貸借した金額の返還と利息を求める。」と裁判所に訴訟を提出した。
しかし、甲は「双方は貸借関係でなく、共同経営であり、乙の共同経営のための投資金額は返還しない。また、1999年に乙が受け取った配当を甲に返還し共同経営で発生した損失を補うべきである」と示した。
【解析】
法人間の貨幣の貸借は金融業務の一種であり、国家の指定した機関しか経営することができない。現在、貸借業務を経営できるのは、国家の各専門銀行、各地方銀行、都市と農村信用協同組合、及び認証を得ている外資系銀行、合資系銀行、金融信託投資機構である。
企業間の相互貸借は一般企業の設立主旨に反するだけではなく、国家の金融の安全性に影響する。そのため、企業の貸借行為はかねてから中国の法律により禁止されている。
中国における最高裁判所の「共同経営契約における紛争案件における若干の問題を審理する際の解答に関して」の規定では、通常の共同経営においては各方が(資本を)共同投入し、「共同経営、共同利潤、共同リスク」の特徴に符合するものであるべきである、としている。
当案件の中で、甲と乙は会社損益と関係なく最低限度額の保証金を受け取る協定を締結したが、司法解釈によると、このような行為は「名目上は共同経営であるが、実は貸借である」ため、この契約は中国の金融法律を違反し、無効である。
契約法、及び最高人民法院の関連司法の解釈によると、甲は乙に対する資金の返還並びに罰金の支払い、乙は既に取得した配当の没収に応じなければならない。
なお、契約が無効であることに付随する損失に対しては、双方が共同で分担して負担しなければならない。
【関連法律】
1. 中華人民共和国契約法
第56条 無効な契約、或いは取り消された契約は、契約締結時に遡及して法的拘束力を失う。契約内容の一部が無効である場合は、その影響の無い部分については、依然として効力を生ずる。
2. 最高人民法院、「共同経営契約における紛争案件における若干の問題を審理する際の解答に関して」
第四条 共同経営契約における最低限度額を保証する条項の問題
(1)共同経営契約における最低限度額を保証する条項に関して、通常は「共同経営者の一方が相手方に投資し、共同経営、共同に経営利潤を分け合うが、共同経営で発生した損失の責任は負わず、共同経営で損失が発生した場合は、出資と固定利潤受取条項を撤回しなければならない」。
最低限度額を保証する条項は共同経営における共同の損益とリスクを負う原則に背く為、その他の共同経営側と共同経営体の債権者の合法的利益を損ない、従って無効である。
共同経営企業に損失が発生した場合、共同経営で最低限度額を保証する条項により受け取った固定的な利潤は返還しなくてはならず、それは共同経営で発生した損失の補填に充てられる。損失がない場合、或いは損失補填後に余剰がある場合、その部分を共同経営で発生した利潤として、双方で協議後、再度合理的に分配、或いは投資の割合により再度分配する。
(2)「企業法人、事業法人は共同経営の一方として共同経営体に投資するが、共同経営には参加せず、また共同経営におけるリスク責任を引き受けることなく、損益と関係なく期日どおりに元利を回収、或いは固定的な利潤を受け取る。
これは、名目上共同経営であるが、実は貸借である」。従って、これは関連金融法規に反し、契約は無効である。なお、貸主側は元金を返還できる以外、すでに取得、或いは利息を取得できる約束通りの金額を受け取ることができる。また、借主は銀行利息に該当する罰金を支払わなければならない。
3. 最高人民法院、「企業相互の貸借契約に関して、貸主側が利息を得ていない場合の、人民法院の裁決についての解答」
企業相互の貸借において貸主側、或いは名目上共同経営だが実は貸借関係であり、貸主側が約束通り利息を得られなかった場合、人民法院は法律に基づいて借主へ返還を命ずる。
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